【書評】岸信介―権勢の政治家―/原彬久

岸自身も時代の流れを読むこと、さらにそこにおけるポイントを押さえることに長けていたようにみえる。それは持ち前の賢さと鋭敏さのおかげであり、思想のほうは固く維持されて行動の底を流れている。核の部分は維持しつつ、時代の潮目を読んで行動を適応させる。変幻自在な「昭和の妖怪」と言われた所以が、理解できたように感じた。

【書評】イヤシノウタ/吉本ばなな

人生のバイブルです。この本との出会いには心から感謝していて、癒されたというより、救われたというほうがいいでしょう。自分が自分のまま快適に、上品に、そしてわくわくしながら、己のペースでがんばって生きるためにはどうすればいいのか。世界の美しさ、大切さとともに教えてくれる1冊です。

【ブックカフェ】KAIDO books&coffee【品川から2駅】

品川から京急本線の普通列車に乗って2駅。新馬場(しんばんば)駅の程近くに、一風変わった面白いブックカフェ「KAIDO」(カイドウ)があります。東海道品川宿があった付近ということで、全国の街道や町の歴史に関する書籍の他、旅や宗教の本が集められています。温かみがあり穏やかな店内で、メニューもお洒落。素敵な時間でした。

【話題の新書】森博嗣著「読書の価値」を参考に、書店で本を買ってみた!

読書好きの間で話題となっている新書、「読書の価値」(著:森博嗣)。みなさんはもう読みましたか?  私は遅ればせながら先日やっと読みました。読書は何の制約も受けずに自由であるべきというのが、本を自分で選んで自分で読んでいるはずなのにでき

【書評】暗幕のゲルニカ/原田マハ【話題の美術サスペンス】

今年文庫化されて再び話題となった小説『暗幕のゲルニカ』の書評。国連にあるゲルニカのタペストリーに暗幕がかけられたことから始まるサスペンスであり、戦争という無意味で惨い行いに芸術という武器で抗い「戦う」人々の物語。この作品で著者が訴えたかったメッセージとは。

【映画化】今年公開された、そして来年公開予定の東野圭吾作品まとめ【原作小説】

今年は東野圭吾作品の映画化が相次ぎました。勢いそのままに、来年も2本が公開を控えています。そこで、今年公開された3本とともに、映画と原作小説の情報やあらすじをまとめました。 映画を観た後原作を読んで照らし合わせるもよし、原作を予習して映画に臨むもよし。参考にしてみてください。 

【書評】オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎 ※ネタバレあり

伊坂幸太郎の衝撃のデビュー作。すべてが真実への伏線となる、「超」現実的推理小説をレビューします。

【書評】独立記念日/原田マハ

しばらく前に読んだ本なのですが、最近読み返したらやっぱり素敵な小説だったのでレビューしました。女性にこそ読んでほしい、自分らしく生きるヒントが詰まった短篇集です。『楽園のカンヴァス』『本日は、お日柄もよく』で知られる原田マハさん著。

【2018冬】11月末から12月の新刊で注目作品4つ。

寒くて家にこもりがちになる冬に、自宅にいながらめくるめく世界へ連れ出してくれる新刊を集めました。ミステリーから待望の新作まで、平成最後の冬のお供に是非どうぞ。 ①犯罪小説集 吉田修一②常設展示室-Permanent Collection- 原田マハ③熱帯 森見

【書評】楽園のカンヴァス/原田マハ ※ネタバレあり

ルソーがピカソから与えられ、モダンアートの大傑作『夢』にすべてぶちまけた燃えるような情熱。ティムと織絵がアート、ひいてはルソーに傾ける愛情にも似た情熱。人の心をとらえ、動かすのはやはり人の強い感情、情熱であることがひしひしと伝わる作品。美術ミステリーの最高峰であり、至高の群像劇であり、温かな恋愛小説。